先月か、先々月か、三宮に行った時にブックオフで衝動買いして積読していた本を1冊読んだ。
アストラッド・ジルベルトやクローディヌ・ロンジェといった名前のある帯に釣られて購入したんだけど、内容はそれ以上でもそれ以下でもなくて8割ぐらいは既知の情報だった。
けどブロッサム・ディアリーについてはあまり聴いて来なかったし、残りの2割ほどの情報が仕入れられたので良しとする。。
(アストラッドはいきなりレコーディングに参加したのではなくて、その前にジョアンジルベルトから歌い方の指導を結構ちゃんと受けていた、という情報は初耳だった)
ネットで調べようと思えば調べられる内容ではあったけれど、散らばってる断片が本になって纏まっているのがやっぱり本の良いところだなって。
ウィスパーボイスについての定義が、個人的にはこの著者とは少し違うので、自分としてはアストラッド・ジルベルトなんかは囁いてはいないので特にウィスパーボイスとは位置付けていなかったし、この著書に書かれている「声量がなく非力」という定義もちょっと自分とは違うかなって印象があった。
やってみると分かるけど、あれは元々出そうと思えばそれなりの声量を出せるひとが敢えて声量を絞っているので案外に体力が要る。
ただ儚くて優しいものでは無いのだ。
まあそんな多少の違和感は感じたものの、フレンチポップやボサノヴァ、ソフトロックについての記述が多くて、この著者のおじさんとは趣味が合うんだろうなという気持ちでスルスルと読み進められた。(おじさん特有の気持ち悪い性欲が行間に垣間見える感じがちょっと嫌だったけど)
個々のアルバムや歌唱に対する評価は何となくの自分の持っていた印象を明文化している部分も多かったし、読後は久々にアルバムごとにガッツリ聴き直すかあ、という気持ちになって良かった。
ガイド本というジャンルを久々に読んで、インターネットが無かった時代はこういう本で必死に情報を仕入れたなあと、初心に帰る気持ちになった。