2月があっという間に去っていった。
前回の日記にも書いたけれど、夫が今割と家に居て犬の散歩や付き添いをしてくれているので(我が家の主義は犬には出来る限り留守番をさせないことなので)その分、家を空けられる時間が増えた。
なので2月は結構たくさん働きに行って、働いているうちに1ヶ月あっという間に終わってしまった。
元々、趣味と実益を兼ねて、、、と思ってやっている仕事なので、とにかく時給が安い。週に2日ぐらい働いている分にはまぁ仕方ないかと思うけれど、それなりに自分の時間を削って働いているとやっぱり微妙に割に合わない。
東京でオフィスワークの派遣をやっていたけれど、ざっくりその半分よりちょっと良いくらいの時給である。
あまり働きすぎると仕事が嫌になりそうなので、3月からはあそこまでは働きすぎないようにしてその分お金を使わないようにしようと心に決めた。
ここ神戸での暮らし以降の人生では、もう仕事やお金には振り回されないようにしたいと思っている。
しかしながら、元々何かを買ったり手に入れる事が好きなので、気を緩めるとすぐに消費に気持ちが向かってしまう。
話は変わるけれど、年末の帰省の為にAmazon audible の登録をした。
18きっぷで長時間電車に乗っている間、聴きながら読書ができたら退屈しないかなぁと思って使っていたんだけど、耳が痛くならない様にイヤーカフ型のイヤフォンを着けていたせいで、朗読との相性が悪くて思ってたよりも読書に集中できなかったなぁという印象だった。
その後もあまり使わなかったので、audibleはキャンペーン終了時に解約しようと手続きをしていたら、「あなただけ(もちろんそんな訳はない)あと2ヶ月、半額で継続できますよ」というメッセージが出てきて、迷いながらも継続の手続きをしてしまった。
作業をしながら聴いて見ようかなと、ダイソーで700円のBluetoothスピーカーを買って、お菓子を作ったり、料理を作ったり、掃除をしたりしながら朗読を流していたら、、、見事にハマってしまった。
元々、活字中毒と自認するほど本を読むのが好きだったのに、いつからかすっかり読書に対するハードルが上がってしまっていた。その1番の理由は「本を読んでいる時には他の事が一切できなくなる」であった。
本を読むという行為そのものが、ながらが不可能であることと、一旦読み始めたら中々中断しづらい(性格)というのが原因である。
audibleならお菓子を作っている時間が、掃除をしている時間が、壁紙を貼っている時間が、読書時間になる。
しかも耳から入る情報は目からよりもスッと頭の中に入ってきて(これは個人差あると思いますが、私は完全に視覚よりも聴覚情報の方が優先されるタイプなので)長時間読書にありがちな「目が滑って内容を覚えていない」みたいなこともない。
さらに!(これも個人差あると思いますが)作業自体も楽しみながらできるので、効率や精度が上がって良い時間になる。
とりあえず気軽な短編やエッセイみたいなものを、と思って何冊か試しているうちに、銀色夏生さんの「つれづれノート」というエッセイに出会って、そしてそれにもすっかりハマってしまった。
銀色さんといえば、綺麗な写真や絵と綺麗な言葉の詩が合わさった詩集が有名で、私も高校生ぐらいの頃に出会って当時その世界にめちゃくちゃ感化されて、スケッチブックに絵と詩を合わせたものを描きまくってた。
ああ懐かしいな、この人、今どうしてるのかな、なんて軽い気持ちで聴き始めた。
このエッセイは完全に日記で、日々の出来事を淡々とそのまま多分脚色も無く書き綴っているものなんだけど、本当に何も起こらない日常が続いていて、家族や友人との何気ない会話、その日食べたもの、その日起こった時事ニュースなんかが延々と書かれている。
ちょうど音声書籍になっているのが5年ぐらい前の日々で、コロナウィルスが世界に広がる直前からコロナ禍真っ只中、ぐらいの2年間ぐらいの分だった。
事件や空気感も自分の記憶に新しいものが多くて、リアルだなぁなんて思って聴いていたんだけど、淡々とした暮らしの中に小さな心の機微やもっと大きな人生観や世界観、哲学なんかが散りばめられていて、さすが文章も上手なので、すっかり入り込んでしまった。
audibleの分を聴き終えてしまって、何とも寂しい気持ちになってしまい、堪らずにそれ以降の文庫も買ってしまった。
この日記自体はなんと20年以上続いていて、現在の最新刊は46冊目が予定されているらしい。
とりあえず1から10と、音声書籍以降の刊を古本で購入した。
当分これを読むタスクで忙しくなりそう。(結局、読書もすることになってしまった)
何が自分にこんなにハマったのだろうか、と考えると、1番は親近感なんだろうと思う。人がたくさん集まる会は苦手で嫌い、普段は家族や通っているジムの友人と世間話をするぐらいで、後は籠って自分と向き合い、生活を第一にして、景色を愛でて、そして自分の芯の中にはちゃんと創作への情熱があって。
ああそろそろ作らなくちゃ、でも今はそういう気持ちになれない、とダラダラと時間を過ごしてしまったり、綺麗な世界を心の中にいつもしまっているのに、テレビでワイドショーを見たり将棋やスポーツの応援をしたり、でもジムで会う友人とは「やっぱり自分とはちょっと人種が違う」と思ってしまったり、、、浮世離れし過ぎてない生活感がリアル。
東京と地元である宮崎を行ったり来たりしていて、都会の良さと田舎に良さとどちらも綺麗に描かれて、でも気持ちは宮崎に傾いていたりするところも、大阪と須磨と2か所に家がある自分とちょっと似ている。
年々、作った話よりもドキュメンタリーを見たい。
うちの犬も先月10歳になり、まだまだ元気だしあと10年ぐらい長生きして欲しいと思っているけれど、犬がいなくなった後の人生や生活について時々考えている。そのヒントや道しるべにもなってくれそうな気がする。
今はつれづれノートに感化されているので、しばらくは前半の文章みたいに、日常をそのまま綴ってみる、という事をやってゆくかもしれないです。