20240402


王子動物園のパンダのタンタンが亡くなった。
誇張無しに世界一可愛いパンダだったと思う。
パンダといえども、やっぱり可愛い可愛くないはある程度あって、
タンタンは顔がまんまるで目がクリクリしていて仕草もちょっとワンコっぽくてとても可愛かった。
神戸に来たばかりの頃、何度か王子動物園に会いに行っていたものだ。
その後いくつかの動物園にパンダを見にいったけれど、その度に「やっぱりタンタンには叶わないな」なんて思ってた。
もうお婆ちゃんパンダで心臓の病気だったけれど、飼育員さんの献身的なお世話で毎日それなりに楽しそうに気持ちよさそうに過ごしていたのをSNSでつい先月まで目にしていたのに、悲しい。
飼育員さんもあれだけ甲斐甲斐しく世話をしていたので、分かってはいただろうけれどペットロスみたいになっているんじゃなかろうかと心配してしまう。
命あるものは必ずいつかお別れが来るんだなぁと、人間よりも寧ろ犬や猫やパンダの訃報で強く思ってしまう。
人とその動物の純粋な愛情だけがそこに感じられるからかもしれない。

話は変わって、先日、「91歳のおばあさんのナイトルーティン」という動画がオススメにあがっていたので何となく観た。
窓の外には一面の雪で、初見なので詳しい地方はわからないけれど「北国の、、、」みたいなチャンネル名だったので多分北海道とかだろうと思う。
日本人のおばあさんが家族と同じ敷地の一軒家で1人暮らしをしているんだけど、家がログハウス風でとてもオシャレでインテリアもまるで外国のようだった。かといって生活感が無いわけではなくて、生活のための道具や飾っている小物や思い出の品物とかも映っていて、そこで暮らしを営んでいるそのままなんだろうなあという雰囲気だった。
赤いセーターにギンガムチェックのエプロンをしていて服もとてもオシャレでいつか雑誌でみたフランスのマダムみたいだった。
夕方から寝るまでのルーティンの紹介をしていたんだけれど、夕方に毎日ピアノを弾くらしい。
楽譜も見ずに流暢な手の動きで何曲も弾く。
綺麗なピアノの音が夕暮れの1人の部屋に響き渡る。窓の外はだんだん暮れてゆく。
撮影や編集はお孫さんらしいので、動画では1人では無いけれどあの流麗な手つきからして本当に毎日弾いているんだろう。誰に聴かせる為でもなく91歳のおばあさんが自分の為に弾くピアノ。
音は生まれて消えて、部屋の隅々までを断続的にチカチカと照らして光って。
クリエイティブじゃなくても誰かが評価しなくても誰かのためなんかじゃ無くても美しい音楽って沢山あるよなあって思いながら見入ってしまった。
自分がもし長生きしたとして一人きりで毎日を過ごすことになったとしたら、あんな風に自分の為に音楽を演奏したいなって思った。


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